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バックパッカーの旅Ⅰ(東京~アテネ)

バックパッカーの旅Ⅰ(東京~アテネ)

インド行きのバスを探す

               ≪九月九日≫       -壱-



昨日PM3:00~5:00までの昼寝が響いたのか、今朝は早朝4時に目を  覚ましてしまった。


 ネパールでの行動はだいたい規則的になってきているようだ。


 毎日のように、午後3時ぐらいから日課のようにスコールが始まる。


 その日の用事は午前中に済ましておかないと、スコールに出くわす為

  だ。


 そのスコールの時間帯を昼寝の時間に当てているのだ。



今日も爽やかな朝を迎えることが出来た。


 レストラン・ドラゴンで朝食(4.5Rs≒100円)を取った後、いつもの

  ようにレンタサイクルを借りてインド大使館へ向かった。


 大使館へ行くと一ヶ月のSingleビザが出来上がっていて、預けておい

  たパスポートと一緒に受け取る事が出来た。


 費用は25.5Rs(560円)。



カトマンズも小さな町だ。


 バンコックのアート・コーヒーと言う喫茶店で出合った女性に、ここ

  インド大使館で偶然再会した。


 キザナ女で行きズリの男を道ずれにしているようだ。


     女 「あらッ!」


     俺 「よッ!」


 男の手前もあるのか、それ以上の会話は続かなかった。


 俺の風貌も髭茫々の状態だから、詐欺師も女も近づいてこない。



カトマンズで後やる事と言えば、どのルートを取ってインドへ向か

  うかと言うことだけ。


 後はのんびりと、カトマンズの街並みをゆっくり散策する事が出来

  る。


 自転車は風を切って快適に走る。


 ”KANTI PATH”(さしずめ、カトマンズ中央通り)を走りぬけポス

  ト・オフィスへ向かった。


 バンコックのデーン宛のアエログラムを書き送る。



     絵葉書   (2.0Rs≒44円)


       アエログラム(1.0Rs≒22円)



首都のセントラル・ポスト・オフィスと言えども、小汚い小さな建

  物で、そこのカウンターに手紙を差し出すと切手をくれる。


 〆て5Rs(110円)。


 一泊の宿泊代より、切手代のほうが高いのだから参ってしまう。


 この現象はこれからもずっと付きまとう事となる。



                    *



この”KANTI PATH”の横には、RATNAパークが青く広がっている。


 公園の中には、ポツンと一つの白い建物があって、何かの集会に使わ

  れているという事だ。


 今は青い芝の上に、何十頭という牛がたむろしていて、数十人の人た

  ちも白い建物の周りを取り囲んでいた。


 この公園ではスポーツも行われているようで、時たまサッカーが行わ

  れている光景を目にする事もある。


 この広場は俺が宿泊している”ストーンロッジ・ハウス”から歩いて

  三分の所に位置している。



日本に電話が出来るかどうか確かめてみようと思い、”Central 

  Telegraph Office”行く。


     俺 「日本へ電話をかけたいのですが出来ますか?」


     受付「NO-!」


     俺 「出来ないの?」


     受付「NO-!」



コレクト・コールもやっていないとぬかす。


 諦めず、近くのホテルへ飛び込んだ。


 ホテルに宿泊していないのだが、宿泊しているような顔をして聞い

  た。


     俺 「国際電話をかけることが出来ますか?」


     受付「出来ますよ。何処の国ですか?」


     俺 「日本です。」


     受付「カトマンズ~東京は、11US$(3300円)で三分間です

          が良いですか?」


     俺 「OKです。」


     受付「そのかわり、どのくらいの時間繋がるかどうかは分か

          りませんよ。」


     俺 「どういう事ですか?」


     受付「電話の回線が東京と直接繋がっているわけではなく

         て、一度カトマンズからロンドンへ行き、ロンドンから

         東京へと繋げますから。」


     俺 「ありがとうございました。」



電話への目途がついて、今日最後の仕事として、カトマンズからイ

  ンドへ向かう民間バスを探す事にした。


 早速、”KANTI PATH”通りにある旅行社に入る。


     俺  「ハ~~イ!」


 カウンターの向こうに受付の女性が座っている。


     受付嬢「なんですか?」


     俺  「俺、インドまで行きたいんですが、とにかく安いル

          ートを探しています。何か良い方法はありません 

          か?」


     受付嬢「飛行機かバスしかありませんから、バス会社をあた

          ってみると良いでしょう!」


 そういうと、バス会社の地図を書いてくれた。


     俺  「サンキュー!」



  愛車(自転車)で走ると街外れに、つい見逃してしまいそう

な、本当に小さな掘建て小屋のようなバス会社を見つけることが出来た。


 それも一台のオンボロバスがいなかったら分からなかったかも知れな

い程、らしくない会社(会社と言えるかどうか?)なのだ。


 そんな小さなオフィスでいろいろ聞いてみることにした。



壁にはこう書かれていた。


      ≪Daily-De-luxe Bus for Raxaul & Back≫


      ≪Minag , STHAN KATHMANDS≫



オフィスに座っている現地人(普通の人が着る服装なので、ここの

事務員なのか・・・まるで分からなかったのだが、とにかく誰でも良いか

ら聞いて見ろ!という気持ちで)に聞いた。


     俺 「インドへ行きたいんですけど。」


     受付「ありますよ。朝の七時半に出発して、明朝の七時半に

到着します。」


 なんと24時間の旅だ。


     俺 「料金はいくらですか?」


     受付「24.4Rs(540円)だ。」


 ビックリするはずだ。


 この時は、バスがインドのデリー(インドの首都だったオールド・デ

リー)まで行くものとばかり早合点していたのだから。



それに毎日のデリーとインドのデリーを見間違えていたのだからケ

ッサクな話である。


 思い違いであれ、何であれ、バスに乗ってしまえばどこかへ着く旅な

のであるから、それほど心配する話ではない。


 とにかく、立派なオフィスのUS$20は高すぎると思うが、US$2では、

あまりにも安すぎて、かえって不安になってくるから、人間の心理と言う

やつはおかしなもんであろう。


 この後数軒同じようなオフィスを訪れるがこれ以上安いオフィスは見

つからなかった。



  マネーチェンジ、安い宿泊所、安い食堂、入国したいビザの取

得、そして交通手段の確保、とこの国でやって置くべき事は、これで全て

終了したことになる。


 随分と歩き回ったせいか、部屋に戻るとベッドに身を任せると、その

まま眠ってしまっていたようだ。



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